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不思議なものを追いかける/らせんの宿、phantom twins、小人戦記ザキ/DMM TELLER様あの晴れた日の向こうで

世にも奇妙な物語、オススメ一覧

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世にも奇妙な物語でよく話題にのぼる話一覧。
個人的な好みで★をつけました。

■SF

太平洋は燃えているか
太平洋戦争中、米国本土へ向かった日本軍の爆撃機が時空を越えて現代の太平洋上に現れるという話。話の展開が強引だが、その分テンポがいい。

懲役30日★★★
7人を殺害した男に下された判決は懲役30日。たったの30日かと男は笑っていたが…。主観時間と現実時間の違いをテーマにして死よりも恐ろしい刑罰を科せられた男の話。

携帯忠臣蔵
本当はあだ討ちなんてやりたくなかったんだけど…という逆転の発想。深読みすれば未来からの干渉によって過去が成立していたとも受け取れるし私好み。コメディー寄り。

■ホラー

ロッカー
大学にバイオセンサーの設計図を盗みに入った男が研究員のひとりに姿を見られ、もみ合いになったげく研究員を殺害してしまう。物音に気づいた警備員から隠れるために男が逃げ込んだ先が、死んだ研究員のロッカーで…。ちょくちょく入るカットが怖い。

女は死んでいない
銀行強盗の際、行員を殺害した男がなんとか罪から逃れようとする話。刑事と犯人のやり取りに緊迫感があって楽しめた。

雪山★★
ホラーといってもサスペンスに近いものがあったり「世にも」をジャンルで分けるのは難しいのだけれど、雪山は疑いようもなくホラー。怖い話でも筆頭にあげられることが多い。雪山、遭難、パニックという流れは私の好み。いろいろな考察ができそうな話。

これ…見て…
未来の映像を撮影している少年と出会ったところから始まる話。少年の謎に迫る話かと思ったら、メインは主人公のほうだった。

■軽めのホラー

おばあちゃん
「世にも」のなかで後味が悪い話と言ったらこれ。
古くからある入れ替わりネタ。途中でオチが予測できてしまうんだけど、人の良さそうなおばあちゃんがどうして…と思っていたら、普通に怖いおばあちゃんでした。

罰ゲーム
美人の姉ちゃんからちょっとしたゲームを持ちかけられて二つ返事で承諾したところ、とんでもない内容のゲームだったという話。自分の体を傷つけて「私がやったんだから、あんたもやりなさい」と強いるやり口はその道の玄人そのもの。

■コメディー

ズンドコベロンチョ
自他共に優秀と認めるリーマンが「ズンドコベロンチョ」という謎の流行に翻弄される話。
最初のネタを引っ張り続けるので変化を求める人には物足りないかも。

山田祭り
超短編。勢いがある。オチもシンプル。

美女缶
缶詰から美人が生まれてくるお話。コメディーのまま終わるのかと思いきや、後半ドラマチックな演出が入ったりして余韻の残るラストに。

夜汽車の男
孤独のグルメそのもの。オチはちょっと笑ってしまった。

ダジャレ禁止令
社員に煙たがられながらもついダジャレを言ってしまう中年部長が国会で定められた「ダジャレ禁止令」によってすっかり萎縮してしまい…最後はなぜか感動的なオチに。なぜ…。

イマキヨさん
イマキヨさんという変なおっさんの妖怪が部屋に住み着いてしまう話。シュール系。イマキヨさんが良いやつなのか悪いやつなのか判然としないところが妖怪らしくていい。

■その他

23分間の奇跡★★★
これは「世にも」のなかでも異色のストーリー。
視聴の際はぜひ先生の言葉に着目して見てほしい。洗脳教育が題材なのだけれども、反抗的な相手に対し、巧みに自尊心をくすぐりながら取り込んでいく手法が見事…というか怖い。

ゴミ女
ゴミ屋敷に住む怪しげな老婆を取材するところから始まる不思議な話。これまでに切り捨ててきた過去を振り返る情緒的な物語かと思いきや、そうでもなかったことが判明。オチの付け方がいかにも「世にも」らしいストーリー。

復讐クラブ
日頃気に食わないと思っている相手に対し、復讐を代行してくれる会員制クラブ。そこに入会した男の話。極端な形で欲望を追求するとたいていロクなことにならない。星新一さんの短編小説にありそうな話。

来世不動産★★
亡くなった後、次に生まれ変わる先の生物(物件)を案内される話。人間として生きている間に行ったことがポイントとして加算減算され、次に生まれる生物(物件)が選べるというシステム。牧歌的な死後の世界で事務的に業務をこなす不動産屋がおもしろい。

過去からの日記★★
小説を書けなくなってしまった作家が一冊の日記を通じて前向きになっていく話。日記を書いているのは入院中の少女。後味がいい。「おばあちゃん」と違って…。


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  1. 2017/11/19(日) 13:49:56|
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タイムリープのおすすめ小説「酔歩する男」

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うっひょー、やばいやばい!
以前読んだ小説を今になってこのテンションでレビューするのもどうかと思うのですが、この「酔歩する男」に話が及べば気分の高まりを口に出さずにいられない。

小説『酔歩する男・小林泰三』

タイムリープものです。
過去から未来へと向かって伸びる絶対的な時間流れのなかを行きつ戻りつするのが多くのタイムリープものに共通する部分ですが、この「酔歩する男」は一風変わってます。

「時間の流れとは意識の流れであり、ヒトの脳内によって生み出されるもの」と仮説を打ち立て、時間を感知している脳の一部を壊すことで、タイムリープを成し遂げようとします。

登場人物のひとりは考えます。
この世界に存在するあらゆる数式は、時間の逆行を制限していないのにどうして我々人間は時間をさかのぼれないのだろうか。…それは物質を含めたあらゆるものの次の「状態」=時間を決めているのは意識による観測だからだ!

ベースになっているのは量子力学における波動関数の収束と呼ばれる量子過程で、ピンときた方もいると思いますが、コペルハーゲン解釈を巨視的に説明する思考実験シュレディンガーの猫です。

登場人物A氏「観測によって波動関数が収束し、物体の状態が固定される。この過程は逆転しない。つまり時間の流れとは、観測を行っている我々の意識の流れなのだ。意識を司っているのは脳だから、自分の脳の一部を粒子線ガン治療装置を使って壊す!」

とてつもない決断をするA氏ですが、もちろん彼はただ単にぶっ飛んでるわけではなく、ここには失った恋人を時間をさかのぼって助けるという強い動機があります。
読んでいた当時の私の気持ちを代弁すると、拳を握り締めながら「いっけえええ!」とA氏を応援してました。

で、脳の一部を壊したところ、どうなったかというと……。
うわあ、すごい、すごい話ですよ、これは…!
結果として脳の一部を壊したところでタイムリープが可能になったA氏ですが、彼の目論見とは外れていた。

A氏は一定方向へと進む時間をさかのぼるつもりが、彼の人生における様々な日時に飛ばされてしまうようになる。そしてA氏は理解します。
「時間は連続体ではなかった。5月14日午後1時0分0秒と午後1時0分1秒とはつながっていなかった。時間は連続していない点の集合だった」
時間は1,2,3,4…と続くものではなく1と2の間に無数の点があり、各々が独立した点であるニュアンスでしょうか。

その後、A氏がどうなったのか、失った恋人の正体が何だったのかというところまで含めて、この物語は恐ろしいながらも、ある意味では秩序だった世界の解釈を示してくれます。
タイムリープの方法に端を発し、世界の実相まで突き詰めて考えられているので、そういう話が好きな人はぞくぞくしますよ、きっと。

小説の終わりのほうにこんな言葉が出てきます。

「限られた理解力しかもたないわれわれの脳があまりにも複雑な世界に対面したときに壊れてしまわないために脳自身が設定した安全装置──それが因果律なのです。われわれが理解している世界はわれわれの脳の中の幻想に過ぎないのです。われわれ人間はその幻想なしには生きていけない」『酔歩する男』角川ホラー文庫より

どうですか、このセリフ。脳が世界を知る足かせになってるなんて、数学的な探求をしてる人ほど理解できてしまうんじゃないかと思います。
酔歩する男をタイムリープ方面からレビューしましたが、これは難しい時間の話ではなくストーリー性のある物語なので、SFが好きな人にはぜひ読んでもらいたい。
個人的な好みで言えば最高峰のタイムリープものです。
オススメ度★×∞


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  1. 2017/11/10(金) 20:55:22|
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