色778

不思議なものを追いかける/らせんの宿、phantom twins、小人戦記ザキ/DMM TELLER様あの晴れた日の向こうで

5億年ボタンと命の分岐

物語の中でも少しだけ触れてますが、アナザーエンドは5億年ボタンの内容が題材となってます。
5億年ボタンというのは、ボタンを押すと100万円もらえる代わりに、何もない空間で5億年の時間を過ごす(ただし、そこでは死ぬことなく、5億年経過後に5億年間の記憶は失われる)という対価を要求されるお話です。

順序はこんな感じ
ボタンを押す→何もない世界での5億年スタート(5億年経過後、記憶を失う)→元の場所でお金ゲット(何も覚えてない)

5億年ボタンの物語の主人公は、100万円もらえるなら当然押すぜ、と軽いノリでボタンを押し、直後に100万円の札束がもらえたことで更に調子に乗り、ボタンを連打する(ボタンを押すごとに+5億年)。札束が次々と与えられて、超簡単な金稼ぎだぜラッキーと狂喜乱舞しますが…

しかしその主人公は、記憶が失われているだけで、5億年の歳月を過ごしています。
ボタンをおした直後に、果ての見えない場所に一人ぽつんと立ち、空も土も生き物もいない世界に唖然とします。
この主人公が5億年の歳月をどう過ごしたのかあまり覚えてないですが、1年が経ち10年が経ちとしているうちにボロボロになり、それでも必死に残りの歳月を数えていたような感じ?だったと思います。

で、ようやく5億年経過。ボロボロだった心も体も元通り。5億年の歳月を過ごした記憶もないから、ボタンを押してすぐにお金がもらえたように感じてしまう。

この話でよく話題になるのが、スイッチを押すかどうか。
何一つ存在しない空間で過ごす膨大な時間は、発狂したほうが楽だと思えるほど重くのしかかる。5億年ボタンの主人公が想像を絶する苦痛に苛まれる様を見て、そんなものは絶対に押さないと考える人。「押さない派」
反対に、でも記憶がなくなるなら別にいいんじゃね、何も失ってなくね? という判断で押せばええやんと考える人。「押す派」

どちらの主張にも一理あるからこそ議論として成り立つのかも?
初めて5億年ボタンの話を知ったときは、私はこの話の不気味さに驚きつつも感動してしまいました。

この話のポイントは、5億年経過後に記憶が失われるという点です。
ボタンを押す→何もない世界での5億年スタート(5億年経過後、記憶を失う)→元の場所でお金ゲット(何も覚えてない)

・ボタンを押す前とお金を受け取ったときとの間には隔たりがありますが、主人公は5億年の苦労など記憶にないので、すぐにお金がもらえたと錯覚する。
・ボタンを押してから、5億年を過ごすことになった主人公は、5億年経過後にそれまでの記憶が失われるので、100万円を受け取れるとしても継続性を感じない。

主人公の辿った道は一本道のように見えて、実際は「お金を受け取る自分」と「5億年を過ごす自分」の二者に分かれているような意味合いが強いのではないかと思います。

らせんの宿では、離れの書庫とアナザーエンドで2回、命の分岐という表現が出てきます。今現在の自分の記憶が受け継がれていない自分を、自分として見なせるのかどうか。私としてはこの辺りのことを書いたつもりだったのだけど、本編では唐突すぎて意味がわからない感じになってしまったかも(ノД`)

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  1. 2015/01/06(火) 22:35:58|
  2. らせんの宿