色778

不思議なものを追いかける/らせんの宿、phantom twins、小人戦記ザキ/DMM TELLER様あの晴れた日の向こうで

恐怖について

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恐怖について思うところを。
(間違いなどあるかと思いますが、素人考えということで大目に見てもらえれば)

どんなものに恐怖を感じるのか、ということを一時期考えたりしました。
人間は蜘蛛が嫌いな人と、蛇が嫌いな人に分かれるという話を、どこかで聞いたことがあって、本当にそんな分類に根拠があるのか気になってググってみたら、別になさそうですね。
俗説どころか一般的に流通してることでもなかったみたいです。

私は蛇を見たらぞっとするんですが、まあほとんどの人が似たようなものだと思います。
どちらかと言えば、蛇は気味悪い生き物かと。

ただその気味悪さを感じる度合いは人によって違って、一度見たら夢にまで出るというほどの嫌悪感を感じる人もいれば、見るのは平気、嫌だけどまあ触る程度なら、とそれぞれ違います。
ごくまれに、蛇って可愛いよねーという人もいますが。飼ってたりもして。

本題からは逸れますが、その恐怖の違いがどこから生まれたものなのか考えてみたりするのも面白いです。
進化心理学には、蛇や蜘蛛に対する極度の恐怖なんかは、進化の過程で生まれたものと解釈する向きもあるようです。危険生物に対する警戒心が強いほうが、生き残り戦略としては優位に働くと。ただ論拠としては弱いみたいです。

そうすると、たとえば人間の祖先が危害を被った危険生物の情報がDNAに組み込まれていたとして、後天的に入ってきた情報によって、蛇へのイメージの差に繋がっていったりするってことなのかな(・・?
「蛇は毒をもたない種も多い」「蛇は臆病だからすぐ逃げる」「蛇料理美味しかった☆」といったことを知るにつれて、蛇の持つマイナスイメージが薄れていくような感じで。
ともあれ、恐怖の感じ方は人によって、だいぶ差がありそうです。

ホラーの演出でも人によって受ける印象の違いはあって、ゾンビやスプラッタものに恐怖を感じる人もいれば、心霊や現象といったある種内面的なものに恐怖を覚える人もいます。
心霊系と言えば、貞子や伽耶子が邦画の大御所のような気がしますが、心霊の範囲を広げると黒沢清監督の“回路”という映画もあります。
恨みつらみの心霊系とは趣向の違う、独特の世界観のホラー映画です。

古い記憶なので曖昧ですが、内容を要約すると。

理由のわからないまま周りの人間が真っ黒になって消えていく。主人公はそこから逃れようとするものの、黒化(黒い炭のような人物の痕跡だけが残る)は広がっていく。

“回路”は抽象的な物語なので、わかりにくいといった声もあるようですが、人によっては他の恐怖映画とは一味違った恐怖を味わえるのではないかと。
私が見たのはずいぶん前なので今だと違う感想を持つかもしれませんが、当時は怖かったです。


人によって恐怖対象は違えど、その根っこにあるものは死が醸し出す空気のような気がします。
ゾンビは死体、流血はその先の死に直結するもの、幽霊はそのままあの世から来た不明瞭な存在として。それぞれが死の間接表現です。

“回路”の場合は意味のわからないまま人の消えていく様が、時を経るごとに味わう人の喪失とどこか似通っているような気がします。どこへいようが身近に迫ってくるというあたりも。

死に関連して、ロボット工学では“不気味の谷”と呼ばれる現象があります。

技術の進化と共に、ロボットの造形が人間に近づいていくと基本的には人間の好感も増していくのですが、ロボットが人間そっくりの姿になる直前で、突然嫌悪感を受けるモノ(ぱっと見、気持ち悪いモノ)が生まれ、そのポイントを過ぎると、再び好感を抱く人間らしい造形のロボットが生まれるというV字型の曲線を示す現象です。
人間の造形に近づいたときに生まれる嫌悪感を感じる存在は、人間に似すぎているために、わずかに残る機械的な部分が逆に際立ってしまって、印象として死体、死者を思わせる造形に見えてしまうのではないかという説明がなされていました。(Wikiによると反論もあるようです)

そういえば人の表情の一部をペイントソフトで少し歪ませたり、ずらしたりすると、びくっとするような不気味なものが出来あがることがありました。あれも人間の脳に生者と死者とを判断する基準があって、生きてないと判断したものは直感的に危ないと判断してしまいそれが恐怖に繋がるのかなと思ったり。

いずれにしても、人は死を連想させるモノに敏感になるような気がします。
各々が受け取る死のイメージの度合いによって恐怖感も異なり、受ける印象も左右されるのかもしれませんね。

2015/8/30 何かごそごそしてます。生存報告を兼ねて。
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  1. 2015/08/30(日) 12:42:20|
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