色778

不思議なものを追いかける/らせんの宿、phantom twins

シンゴジラのレビューと尻尾の謎解き

シンゴジラのレビューです。
今頃? と言われそうだけど、先週レンタルで2回目を見たので。
良い映画は何度見ても面白いです。

昨年興行収入が80億円を突破し大ヒットとなったシンゴジラ。
大ヒットの理由を考えてみたのだけど、それは子ども向けの映画にしなかったことに尽きると思います。

怪獣映画はそもそも怪獣の存在そのものが非現実的で、どうしても安っぽくなるか子ども向けの内容になりがちだけど、日本の法規に照らし合わせた日本政府の対応とゴジラの設定とを丁寧に演出することで、リアリティが生まれている。脅威が迫っているのに必要な手順を踏まなければ何一つ決められない日本の制度など見ていてじれったくなるほどだった。

ゴジラの設定も、ゴジラが生物である以上、ミサイルが命中したなら死ななければならないところを、ゴジラを神の化身としてリメイクすることで脅威に説得力を持たせている。それも単に無敵の怪物という言葉だけの設定ではなく細部に凝っているため、見ているほうは「なるほどなー」と首肯しまう。

今回のゴジラは放射性物質をエサとし、人類の8倍の遺伝情報を持ち、地球上でもっとも進化した生物。体内に原子炉のようなものを有していて、血液流を冷却システムとしている。背びれは放熱板。

現実的な世界を作り上げながらも、こうした細かい設定のおかげで、ゴジラの存在が浮いていない。

さすがは庵野監督です。
庵野監督といえば『エヴァンゲリオン』ですが、他にも『風の谷のナウシカの巨神兵』や『蛍の墓』に出てくる艦船を描いたことでも有名です。ファンの間では『王立宇宙軍』というアニメのロケット発射シーンが有名でした。メカニック畑の方なんですね。

今回のゴジラも生物というよりはロボットに近い。というより使徒です。音楽もゴジラの神秘性とぴったり符号していて迫力がありました。エヴァンゲリオンに使われていた音楽もそのまま使われてたような?

ひとつひとつのカットにもこだわりが感じられました。ゴジラが口から放射能ブレスを吐くシーンではむき出しの眼を守るために瞼を閉じたり、ブレスの火力が弱まってきたら赤い炎になったり、短いカットに細かい状況説明がふんだんに盛り込まれてます。
一方でテンポが早く見逃してしまうシーンも多いので、初見では何をしているのかわからないシーンも。
その点、マニアックというか尖りすぎていて好みの分かれるところでもあるけれど、私はこの手の怪獣映画は万人向けに製作していたら大ヒットはなかったんじゃないかなという気がします。

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日比谷ビル北側のゴジラ像

ゴジラの尻尾から出ている人型の物体は何?

映画の最後で活動を停止したゴジラの尻尾がアップになります。
その尻尾に何体もの人間らしきものが飛び出していて、昨年映画が上映されてから様々な憶測を呼ぶこととなりました。

あれはゴジラに吸収された人間ではないのかとか、太平洋戦争で亡くなった英霊たちではないのか、ゴジラの子どもではないのか等です。

ゴジラに吸収された人間という推測はあり得るような気がします。ゴジラが死者を吸収していても特に不思議はないですからね。逆に英霊はちょっと考えづらい。
日本の国土を壊しながら進むゴジラですから、現代日本への警鐘という側面はあると思いますが、戦争やイデオロギーを匂わすシーンは特にない。庵野監督自身も作品に思想的なメッセージを込める方ではないような気がするので、おそらく英霊ではない。

一番あり得そうなのは、ゴジラの子ども。進化という言葉が何度も出てくる映画なので、映画の流れを考えれば、人類にしてやられたゴジラが新たな進化を遂げようと人型の子どもを産みだした、と考えるのはもっとも違和感が少ない。

ホラー映画では、倒れたはずの怪物が最後に復活を示唆して終わりというパターンが王道ですし、人型の物体も次なる脅威と考えるのが自然かなと思います。

ただ、実はまだ何も考えていないという線もあるのかなと。創作に関わる人に共通した思いですが、作っているうちに作品を終わらせるのが惜しくなってきて、あわよくば次回作につなげたいとの思いがにょっきりと鎌首をもたげてくる。まあこれはうがった見方でもありますね。
謎の考察は映画の楽しみの一つなので、ひょっとしたら庵野監督からのサービスなのかもしれない。

ということでシンゴジラのレビューでした!


  1. 2017/09/13(水) 06:48:00|
  2. フィクション映画・小説