色778

不思議なものを追いかける/らせんの宿、phantom twins

ゼロサムゲーム「クリムゾンの迷宮」

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バングル・バングルと呼ばれる岩石地帯。画像はWikipediaより

閉鎖環境での生き残りをかけた戦い。今でこそソリッドシチュエーションスリラーというジャンルが確立され、この手の生存バトルものは珍しくないですが、15年ほど前はそれほどメジャーなジャンルでもなかったように思います。
映画「SAW」の影響で一気に広まったのではないでしょうか。

わけのわからないまま、見知らぬ土地に投げ出され、主催者の意に沿った行動を強要される。こういう話、私も大好物です。主人公の視点で謎を追いかけていく話の構成はわくわくします。

そこで今回オススメするのは貴志祐介さんの小説「クリムゾンの迷宮」

舞台はオーストラリア北西部、現地の人の言葉でバングルバングルと呼ばれる砂岩地帯。
記憶のないまま連れてこられた数人の男女が、主催者の狙いを探りつつサバイバルを繰り広げます。

主人公は失業した中年男性。
魅力的な人物かと言われるとそうでもない。良くも悪くも普通の人です。

主人公は現地で知り合った女性と共に、端末で指示された情報を追ってバングルバングルの地をさまようことになります。

主人公たちは最初に与えられた道具のみで生き延びなければならないのですが、その内容自体もゲームのような物語構成になっていて、ゲーム好きにはたまらない。現地の様子やそこにいる生物を狩るサバイバル情報もふんだんに盛り込まれているので、読んでいて面白い。

貴志祐介さんといえば「黒い家」に代表されるホラー小説が有名で、人間や社会の持つ悪意や不条理をテーマとしている話が多いです。そして何より貴志祐介さんの小説は人間が怖い。とても怖い。

クリムゾンの迷宮でも最後は人間同士の戦いになるわけですが、忍び寄ってくる人間に身震いするような恐怖を感じます。

閉鎖環境でのサバイバル好きだけど何を読んだらいいかわからない。そんな人がいたらクリムゾンの迷宮をオススメします。古い本ですがゲームを下地にした色褪せない小説です。


  1. 2017/10/08(日) 09:26:49|
  2. フィクション映画・小説